中川畜産について

中川畜産の牛舎は自然豊かな滋賀県東近江市にある。明和の時代に、蒲生(がもう)と呼ばれたこの地で牛の産地問屋として始まり、戦後、畜産農家として発展してきた。
現社長の中川吉明は七代目。息子の卓・晶成が後を継ぐ「近江牛の老舗」である。
牛舎がある場所は、鈴鹿山脈からの伏流水が流れる湖東平野にある。おいしい水、おいしい米がとれる最高の環境で中川の牛はのびのびと育っている。
今、素牛の目利きは晶成の仕事。こだわりは「但馬牛の田尻系」。全国各地を飛び回り、「田尻系」の血統を引き継ぐ牛を探し出し仕入れる。中川の牛舎には、現在約300頭の肉牛が育てられているが、いずれも小ぶりでカタチが非常に良い、昔ながらの上質な牛ばかり。最近では「地産地育」の方針を打ち出し、繁殖育成の一貫生産にも本格的に取り組んでいる。

時代の変化をよんだ先人たち

中川畜産の歴史は明治維新の前、黒船が来航した1850年代に遡る。初代となる清兵衛は農民だった。
社会の変化に敏感だった清兵衛は時代の先をよむ。農耕用の牛を通じて交流のあった博労(ばくろう:牛取引の仲介人)たちを清兵衛はまとめ、牛の産地問屋を始めた。
これが中川畜産の最初の一歩であった。
四代目中川亀吉は屋号を「江州亀」とし、後に「中川畜産」の前身となった。
「江州亀」は、畜産農家としての礎も築いていく。亀吉は滋賀周辺だけでなく、遠くは四国や九州にまで良い素牛を求め歩き、畜産事業に注力。中川畜産の礎を強固にした。
五代目中川甚九郎は現社長・吉明の父。甚九郎は戦時中の混乱期も家に約50頭の牛を飼い、大切に守り育てた。
戦後の日本において、牛の取引額は政府の統制下にあったが、統制を打破し、市場取引を始めたのは「江州亀」、まさしく甚九郎であった。1951年、同業者たちと「近江肉牛協会」を立ち上げ、その中核に中川甚九郎は名を連ねた。

中川畜産の家譜

初 代 清兵衛明和時代 牛の産地問屋業を始める。
二代目 清二明治維新前後 1871年の肉食解禁を受け、商機を求め全国へ。
三代目 清次郎明治中期 県外での牛の取引開始。
四代目 亀吉明治後期-大正 屋号を「江州亀」とし、全国に中川の名を広める。「中川畜産」の最初の礎を築いた。
五代目 甚九郎大正-昭和中期 明治32年生。「江州牛」の東京市場進出の草分けとなった。戦中も家業を守り抜いた強い経営者であった。
六代目 三五郎終戦直後 戦中、「江州亀」の経営で兄・甚九郎を支えてきた。戦後、経営を引き継いだが間もなく病気で急逝。
五代目 甚九郎大正-昭和中期 近江肉牛協会設立に尽力。「近江牛」ブランドの基礎を築いた功労者の一人。昭和44年没(享年72歳)
七代目 吉明昭和36年-現在 25歳で経営を引き継ぐ。「江州亀」から「中川畜産」に屋号を改名。現在の牛舎を建設し経営を現代化。
息子 卓・晶成現在 但馬系「田尻系」の肉牛にこだわり、愛情いっぱい育て、最高の「近江牛」を日々目指している。

プロを唸らせる中川畜産の近江牛

日本最古のブランド牛「近江牛」の故郷・蒲生野(がもうの)。ここは、滋賀と三重の国境・鈴鹿山脈からの伏流水がたどり着く名水の地。近江米を栽培する水田地帯の中に、近江牛の老舗・中川畜産の牛舎はある。七代200年続く中川家には先祖代々「牛の飼育には水が最も重要である」という教えがあり、今もその教えを大切に守っている。地下80m からくみ上げる水を飲めば、口当たり柔らかく体にしみいるようにおいしい。中川の牛たちは毎日、この水を飲み、近江米の稲わらを食べて過ごす。「良い水を飲んで育った牛は、たくさんエサも食べ、健康に成長する」。中川畜産の近江牛が「プロの料理人を唸らせるおいしさ」と評価される理由の一つがここにある。

但馬牛「田尻毛」を見極める目利き力

中川畜産の近江牛がおいしい理由は「水」だけではない。牛そのものへのこだわりがある。
肉のきめが細かく、さしの質が良いとされる但馬牛だけを素牛として育てる。体躯が小ぶりな但馬牛は生産性で言えば効率は悪い。が、肉質は他を圧倒する。
但馬牛の中でも「田尻」と呼ばれた一頭の名牛の血統をひく「田尻毛」の仔牛を、全国を飛び回り仕入れるのが中川のこだわりだ。牛を目利きする力こそ、中川畜産のお肉が「おいしい」と人気を集めるもう一つの理由である。

世界一おいしい牛肉「近江牛」を一人でも多くの人たちに

「牛を知り尽くした牛飼いが愛情込めて育てるから最高の肉牛になる」中川畜産の歴史は、牛を家族同然、大切に育ててきた歴史である。昭和30年代、家の玄関先で撮影された一枚の牛の写真。牛は「ゆたん」と呼ばれる、まるで相撲取りの化粧まわしの様に豪華なまわしを胴体に巻いて写っている。
ゆたんは牛の晴れ着。中川家では昔より、お祝いの日には、こうして牛も着飾ってお祝いをした。足元を見れば、蹄を守る草履まではかせている。牛にかけるそんな愛情は今も変わらない。
「世界一おいしい近江牛を一人でも多くの人たちに」。 近江牛の老舗・中川畜産の想いがここにある。

近江肉牛協会指定販売店

所在地MAP

〒527-0076 滋賀県東近江市野口町55-2
電話:0748-22-0603
FAX:0748-25-1178